白山比咩神社はどんな神社か
石川県白山市に鎮座する白山比咩神社は、加賀国一宮、全国の白山神社の総本社として知られている神社です。創建は崇神天皇7年(紀元前91年)と伝えられ、白山の遥拝所としてこの地に奉斎されています。創建当時は船岡山に鎮座していたそうですが、河川の氾濫や火災等により何度か遷座しています。本宮境内は16552.5坪、白山嶺上の奥宮境内は5111644.7坪もあります。
白山信仰は、石川・岐阜・福井・富山にまたがる標高2702mの霊峰白山を御神体として崇拝する山岳信仰です。御祭神は白山比咩大神。仏教や修験道と結び付き、信仰や修行場として栄え、加賀藩主前田家の保護のもと白山比咩神社が総本社として発展しました。明治になると神仏分離令で神道と仏教が分離されてしまいました。
お祀りしている御祭神は次の通りです。
- 白山比咩大神(菊理媛尊)
- 伊弉諾尊
- 伊弉冉尊
菊理媛尊は、黄泉比良坂で争う伊弉諾尊と伊弉冉尊の場面で登場し、何事かを口にして去りました。出番はたったこれだけで、詳細は不明です。日本書紀にのみ登場します。
黄泉比良坂の話を要約すると、加具土命を産んだ伊弉冉尊は、火傷を負って亡くなってしまいます。伊弉冉尊を忘れられない伊弉諾尊は、彼女を追って黄泉国まで行きました。伊弉冉尊は、黄泉国の食べ物を食べてしまったので姿を見ないでほしいと言いましたが、伊弉諾尊は言いつけを守らず腐乱死体となり雷をまとった伊弉冉尊の姿を見て、恐れをなして逃げてしまいました。それに気づいた伊弉諾尊は激怒して、伊弉諾尊を追いかけます。伊弉諾尊は黄泉比良坂に至ると大きな岩で道を塞ぎ、伊弉冉尊と縁を切ると断言しました。すると伊弉冉尊は「私はこの国の人間を毎日1000人殺す」と呪いをかけ、伊弉諾尊は「それなら私は毎日1500人の子供を産ませる」と応えて対立します。ここで登場するのが菊理媛尊です。その後、伊弉諾尊は禊ぎ祓いを行い、天照大御神、素戔嗚尊、月読尊をはじめとした神々が生まれました。
白山比咩神社の見どころ

北側参道の社号標。

北参道川の鳥居。

表参道の終点にある神門。

推定樹齢1000の大ケヤキ。白山市指定天然記念物です。

摂社の荒御前神社。御祭神は荒御前大神、日吉大神、高日大神、五味島大神。荒御前大神は神功皇后が朝鮮半島に出兵した際の守護神としてしたそうです。朝鮮出兵は住吉神の神託によるものでした。

神馬舎。白山比咩大神を乗せる神馬を模した木製の像があります。

幣拝殿。

白山山頂の奥宮の遥拝所。白山比咩神社の始まりが白山の遥拝所でした。白山三山を模した岩が祀られています。

南参道側の手水舎。手水鉢が珍しい亀岩とのことです。


禊場と禊社。他の神社では見たことがありません。

末社の住吉社。御祭神は住吉三神で、黄泉の国から逃げ戻った伊弉諾尊が禊ぎ祓いを行ったときに生まれた神です。禊ぎ祓いの神様として禊場の隣に鎮座しているようです。
白山比咩神社へのアクセス
石川県白山市三宮町2-105-1
【公共交通機関】
- 北陸鉄道石川線「鶴来駅」から、加賀白山バス「瀬女行き」へ乗車、「一の宮」で下車
【車】
- 北陸自動車道「美川IC」より20分
白山比咩神社の御朱印・御朱印帳
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授与所で頂きました |
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授与所で頂きました |
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