【自家採種】トマトの種を採る

トマトの種 自家採種
トマトの種

家庭菜園でトマトの自家採種の方法を紹介します。

受精方法・交雑の注意点

トマトは他の品種との交雑が極めて少ない自殖性作物です。異なる品種と数メートル離す程度で交雑を防ぐことができます。

母本選抜の基準

以下の基準で採種する株を2~3株ほど選んでください。

  • 施肥を控えて栽培し、最後まで健全な生育を示す株
  • 生育が良好で着果がよい株
  • できるだけ病害がない株(モザイク病と萎凋病は種子感染の危険性がある)
  • 果実の形、色、大きさ、肉質、硬さ、食味、糖度と酸味、日持ちなどが、品種固有の特徴を持った株

自家採種の方法と保存

着果45~55日後の完熟果を収穫します。ガクの下まで果実全体が着色し、軟らかくなり始めた果実が対象です。上段の果房だと十分完熟していない場合もあるので、第1~3果房の完熟した果実を収穫します。トマトは品種や果実の大きさによって1果実当たりの種の量は様々です。おおよその目安ですが、ミニトマトだと20~30粒、大玉品種では100~200粒の種がとれます。完熟するまで株につけておいた方が種の充実はよくなりますが、裂果して腐りそうなときは完熟前に収穫して追熟します。追熟は軟らかくなるまで風通しのよい日陰で7日ほど置いておきます。

完熟したトマト

追熟した果実を切り、スプーンでゼリー状の部分ごとかき出します。

かき出したトマトの種

かき出した種はゼリー状の部分ごとポリ袋に入れ、暖かい場所で1~2日発酵させます。発行はトマト自身が持っている酵素や酵母菌などによって進み、種のまわりのゼリー状物質が溶けて洗いやすい状態になります。ゼリーが溶けたら発酵完了です。

発酵中のトマトの種

果汁や果肉を水洗いします。水洗いしたら十分すすぎ、ゴミを流して沈んだ種を採種します。果肉やゼリー状物質の残骸は水に浮き、種は沈むので容易に分離できます。

水洗い中のトマトの種水洗いしたトマトの種

発酵が不十分だと水洗いをしても種の周りにゼリー状物質が付着したまま状態になりますが、翌年に種をまいても発芽・生育・収穫は問題なくできました。ただし、3年もするとほぼ発芽しなくなりましたので、早めに使い切ってください。

洗った種は水を切って、天日でその日のうちに乾燥させます。種が濡れていて生乾きの状態でコンクリートの上などの高温状態となる場所で乾かすと、著しく発芽を悪くするため注意してください。例えば、ゴザなどを敷いて干す、ネットに入れて物干しの風通しのよい場所で干すなどし、なるべく早く水分を飛ばします。この時、種どうしがくっついているので、生乾きの時にもみほぐすと種がくっつかなくなります。天日乾燥後は、2~3日ほど日陰で十分乾燥します。

乾燥したトマトの種

トマトの種は長命なので、低温・乾燥状態を維持すれば、5年程度は高い発芽率を保つことができます。

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