家庭菜園でナスの自家採種の方法を紹介します。
受精方法・交雑の注意点
ナスは自殖性作物ですが、10~20%の自然交雑がみられ、他殖もします。従って、単一品種を採種するのであれば問題ありませんが、異なる品種を同じ畑で採取するのであれば袋がけします。私は同じ畑では単一品種しか栽培しないようにし、自殖に任せています。
母本選抜の基準
ナスでは1果当たりの種の量が多いため、家庭菜園では以下の基準で採種する株を1~2株ほど選んでください。
- 定植後の育成がよく、アブラムシがつかない、またはアブラムシがついても育成が停滞しない株
- 肥料を控えて栽培し、最後まで健全な生育を示す株
- 着果性、果実の形、色、大きさ、果皮や果肉の硬さ、肉質、食味などが、品種固有の特徴を持った株
自家採種の方法と保存
採種果の収穫時期は、着果後50~60日が目安です。採種果の着果は、冷涼地で8月初旬、温暖地では8月中旬が目安となります。1果当たりの採種量が多いため、採種果は1~3個つけます。採種果をつけたら、充実した種をとるためにそれ以外の花や果実は定期的に摘んで、樹勢を強くします。
着果後50~60日経って紫色が抜けて黄褐色になり、一時固くなったのが少し軟らかく弾力をもつようになった完熟果を収穫します。収穫した果実内の養分を種に転流させるため、雨の当たらない日陰で2~3週間ほど常温で追熟します。
皮を破らないように果実をもみ込みます。果実を切り開き、容器の中でもみ込んで軟らかくなった果実から種を水中にもみ出します。
浮いたしいなや果肉などは洗い流し、水が透明になるまですすぎ洗いをして沈んだ種を採種します。
水気をよく切り、風通しのよい場所で天日干しをして十分乾燥します。天日乾燥後、3日ほど風通しのよい日陰で乾燥させます。
ナスの種は長命なので、低温・乾燥状態を維持すれば、4~5年程度は高い発芽率を保つことができます。
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