カブの概要
来歴
アブラナ科アブラナ属。中央アジア~ヨーロッパ東部~地中海沿岸が起源。ヨーロッパでは紀元前から栽培されていました。日本では700年ころから栽培されている古い野菜です。現在でも地方品種が数多く残っています。
栽培・採種している品種
私が栽培・採種している品種は、木曽紫カブ、白の宝石(いずれも自然農法国際研究開発センター)です。
カブの自家採種
受精方法・交雑の注意点
アブラナ科野菜は自分の株では受粉せず、他の株から受精して種をつけます。カブはきわめて自然交雑しやすく、ハクサイ、コマツナ、チンゲンサイ、ミズナなどとも容易に交雑します。これらの作物の近くで同時期に開花する場合は、網で囲むなどの隔離が必要です。
母本選抜の基準
タネ取り用の株が少ないと生育が悪くなって採種量が減ってくるので、少なくとも10~20株の集団で維持する必要があります。異品種との交雑に注意することと、母本をそろえすぎないことがポイントです。適期に収穫して、上記の基準で選抜します。
- 間引く際に、立ち枯れが無く、子葉が大きく、胚軸が徒長していないもの
- 葉の形や色や切れ込みの深さなど、品種固有の草勢のもの
- 根の形や色、ヒゲ根の出方など、品種固有の特徴を持っているもの
- ある程度の葉の茂りがあって、根の肥大や形の良いもの
母本を移植し埋めなおします。
寒い地域で凍害が発生する場合、ワラやマルチで覆ったり、保温資材でトンネルがけをしたりして対策してください。
翌年の春に菜の花を咲かせます。たくさんの芽が出ますので、一部を菜の花として収穫するといいです。
刈り取り
全体の7~8割が黄変し、鞘を割って種が褐色になっていれば刈り取ります。鎌で根元から刈り取って、3~4日干し十分に乾燥させます。
種出し
シートの上、桶やバケツの中に乾燥した莢を入れ、叩いたり踏んだりして鞘を割って種を取り出します。
風でゴミを飛ばして調整します。
日光に当てると急激に水分が無くなり、種が割れることがありますので、風通しのよい日陰で2~3日乾燥させます。
種の保存
乾燥低温状態で保存すれば、3年程度は高い発芽率を維持できます。
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