種苗店やホームセンターには、多くの野菜の種が売られています。
例えば、大根で同じ容量なのに200円くらいのものもあれば、500円くらいのものもあります。ここで種の袋に注目してほしいのですが、値段の高い種には間違いなく”〇〇交配”という文字が印字されています。逆に、値段の安い種には”〇〇交配”の文字は印字されていません。これは、種の種類が違うことが原因で、値段に差が出てしまうのです。
種は大まかに分類すると、在来種、固定種、交配種(F1)の3種類に分けられます。前出の種の袋の説明で、”〇〇交配”の種が交配種(F1)、そうではないのが固定種です。在来種はちょっと特殊で、大抵は固定種ですが、交配種のものもあります。
固定種
固定種とは、性質がある程度一定にそろっていて、他の品種と区別ができる品種のことをいいます。遺伝的に多様性を持つ作物の選抜を繰り返したものなので、交配種(F1)のように遺伝的にそろっている品種ではありません。実際に栽培してみると、交配種(F1)に比べるとばらつきが大きいことが実感できます。多様な遺伝子を持っていますので、それぞれの野菜に個性が出ます。それをさらに同じ性質のもので選抜すれば、より一層性質が一定にそろいます。
自家採種をするのであれば、固定種が一番やりやすい品種です。多様な遺伝子を持っているため、自分の育て方や畑の環境に適応したものが育ちやすく、きちんと選抜すればある程度性質が一定にそろうからです。
交配種(F1品種)
交配種とは、性質の異なる品種を掛け合わせて生まれた品種のことをいいます。雑種の第一世代(F1世代)は雑種強勢により、両親の平均かそれ以上に生育・耐病・収量等が優れるという性質を持っています。そのため、多くの野菜でF1世代を利用した交配種が育成されています。
F1品種から採種したF2世代では親の性質がバラバラになって子孫に伝わる(メンデルの法則の劣性が表に出てくる)ため、F1世代とは現れる性質が異なります。そのため、F2世代は育成状況・形状・耐病・収量・味に非常にばらつきがあり、適当に採種した場合は品質が全く固定化されません。
在来種
在来種とは、特定の地方の風土や栽培方法に適応し、その地方で長年栽培されている作物のことです。ご当地野菜、伝統野菜などと呼ばれています。一般的に固定種で、他の地域で栽培してもその特性を発揮しにくく、似て非なる野菜になるかもしれません。しかし、何度も自家採種をしていくと、その地域に適した特性を発揮していきます。ご当地野菜を特産化するために品種改良されている場合もあり、交配種に属するものもあります。
このように、種といっても様々な特性があり、家庭菜園で自家採種しやすいもの、しにくいものとがあります。
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