自家採種と種苗法

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種苗業の始まり

自家採種は昔から農家で行ってきた伝統的な栽培技術の一環です。種をまき、野菜を収穫し、来年用の種を採るまでが栽培の体系となっていました。農家が個々に種を採っていた頃は、各地に個性豊かな品種が乱立し、その中で品質の優れた品種は地域内に広まって、日本各地の在来種が形成されていきました。やがて、農家が商品として農作物を栽培するようになり、採種までは手が回らなくなると、種子や苗を専門的に扱う農家が現れました。ここから栽培体系の分業化が発生し、現在の種苗業へと発展していきました。

種苗業者は優れた品種を維持するために競い合って選抜を行い、優れた固定種が生まれました。現在残っている有名な地方品種は、この選抜技術に支えられてきました。戦後は雑種強勢を利用したF1育種が大きく発展しました。F1品種から採種しても同じ形質が維持できないことから、種苗会社は固定種からF1品種へと育種の方向を変えました。これは、農家が毎年種苗会社から種を購入しなければならないので、種苗会社が儲かるためです。ただし、F1品種といえども親品種には従来の固定種が必要なので、かなりの種類の固定種は現在でも育種親として種苗会社で維持されているようです。地方の固定種を守ってきた種苗業者も、次第に大手種苗会社からF1品種を仕入れる代理店化し、自主育種する所が激減してしまいました。

種苗法と登録品種

自家採種については若干の規制が敷かれています。これは品種育成者の権利を守るためのものです。以前に交配種(F1品種)からも採種可能だと述べました。しかし、何でも採種をしてよいわけではありません。品種の中には、種苗法によって育成者の権利が保護されているものがあります。品種登録とは、植物(花、野菜、果物など)の新品種を育成した育成者に一定期間、知的財産権の一つである育成者権を与え保護する制度をいいます。種苗法による登録品種(登録出願中)を表示するPVPマークがあります。このマークは義務ではないので、マークがなくても登録品種の場合がありますのでご注意ください。

交配種(F1品種)の自家採種

登録品種は育成者権で保護されていますので、自家採種した種、そこから育てた苗や作物を販売・譲渡することはできません。一方で、自分の畑で育て自分で消費する分に限り、自家採種は許容されています。F1品種でも、権利者から譲渡されたものであったり、品種登録されていないものであれば、自家採種しても問題はありません。

固定種と在来種の自家採種

固定種は自家採種しても問題はありません。

在来種は選抜されてその地域に根付いた固定種が多いですが、改良されたF1品種のものがあります。中にはその地域や団体で登録・保護されたご当地ブランドの品種が存在している可能性があります。念のため確認をしておいた方が無難です。

種苗法改正について

自家採種は原則禁止の文言だけが独り歩きしていて、固定種・在来種・交配種(F1品種)は全て自家採種ができないという意見をちらほら見かけますが、完全なる誤解です。よく確認すると、登録品種を増やそう、育成者保護を徹底しようということであり、F1品種でも先に述べた例外であれば自家採種できますし、固定種と在来種は従来通り自家採種できます。家庭菜園で自家採種を行う範囲では影響はないというのが、私の見解です。

日本では近年まで種苗・畜産について比較的温厚で、かなり自由に取り扱われていました。それは日本の品種が海外にいとも簡単に持ち出された状況を見ても明らかです。韓国に日本のイチゴが無断で持ち出され栽培されていたり、中国に和牛の精子や受精卵を持ち込もうとして中国側の検閲で引っ掛かり逮捕された人がいたりと、日本の種苗・畜産資源の保護する体制の整備や、農産物にも保護される品種があるという周知徹底がなされるべきだと考えます。

 

これらの内容は農水省のホームページで確認できます。しかし、法律用語は同じ日本語とは思えないほど何を書いてあるのかわかりにくいですね。

種雑記
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